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よくある質問

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よくある質問

 

児童手当が縮小される世帯は?

2020年12月、児童手当の縮小報道がされているので、解説しておきます。

いまのところ、年収1200万円が基準になっているものの、詳細は今後決まるという感じです。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2021.7.8

児童手当とは

児童手当制度は、昭和47年に創設されています。

15歳までのお子さんを持つ家庭に支給される手当。

3歳未満は、月額一律1万5000円。

3歳~小学校卒業まで1万円。ただし、第3子以降は1万5000円。

中学生は1万円とされています。

2,6,10月にまとめて市区町村から支給されます。1,2子は、これをすべて貯めると200万円に。

この児童手当は、原則として、申請月の翌月分から支給され、遡ることはできないとされています。毎年6月に現況届が届き、これを提出して、養育状況に変わりがないか申告することになります。

ただし、所得制限があり、これをオーバーしている場合は、一律5000円の特例給付がされていました。

 

所得水準によって金額が変わるという制度です。

 

児童手当の特例給付

児童手当の特例給付になる所得制限が、多くの場合、年収960万円とされていました。

これは扶養親族3人の場合の、給与収入額の話です。所得としては736万円。960万円の給与収入がある場合の給与所得控除により下がった後の所得額が問題になるのです。

扶養親族が2人であれば、所得では698万円、給与収入としては約917万円が基準となります。

 

この基準をオーバーしている場合には、5000円のみ特例給付をするという扱いでした。

しかし、2020年12月15日に「全世代型社会保障改革の方針」が閣議決定されています。

この決定では、年収1200万円以上の場合に特例給付をしないこととされました。少子化社会対策大綱(令和2年5月29日閣議決定)等に基づくものとされています。

待機児童の解消を目指すための財源を捻出する目的とのこと。

 

2021年の通常国会で関連法案成立を目指し、準備期間も含めて変更は2022年10月支給分からの予定とされています。

 

 

 

年収1200万円未満では影響なしとの報道

特例給付廃止の報道では、年収1200万円未満の世帯には影響がないとされています。

年収960万円以上1200万円未満の世帯は、これまで通り月額5000円の特例給付が受けられるとの報道も。

もともとが特例給付の対象ではない年収世帯だった場合には、基準以下の収入での支給ですので、影響はありません。

特例給付を受けていた中での、一定基準以上の年収が問題となる見込み。

 

 
ただし、上記のとおり所得制限額は世帯によって微妙に変わります。

扶養親族の人数によってかわるのです。

 

所得制限のラインが1200万円と960万円となるのは、扶養親族3名の場合。

たとえば、子供2人と年収103万円以下の配偶者がいる世帯の場合。

 

特例給付に切り替わる960万円の基準については、内閣府サイトで扶養親族の人数が0〜5人の場合の一覧表が掲載されています。

 

では、1200万円の方の基準はどうなるのか。こちらも扶養親族の人数で変わるのか、所得がいくらなのかについては、閣議決定ではあきらかにされていません。法改正後に政令で定めることになるとされています。

 

 

夫婦合算は見送り

基本的に、今回の決定では、夫婦合算の話はされていません。

そのため、1人だけの収入を見て、年収1200万円かどうかで判断するということになりそうです。

夫婦合算にするかの検討もされていたようですが、決定はされず。

該当世帯はより少なくなりそうですが、高額所得者の子育て世代への実質的な課税とも評価される問題でしょう。

ネット上でもブーイングが出ています。

もともとは、小さな子への扶養控除の話もあったのですが、そちらは廃止されています。

 

これで、少子化の解消を謳うのはどうかと思います。

どちらかといえば、高額所得者の扶養控除を拡大したほうが少子化対策にもなりそうな気がします。

 

児童手当と離婚

児童手当は、通常、世帯主の預金口座に振り込まれます。

夫婦が離婚する際に、財産分与が問題となります。結婚期間に築き上げた財産を分ける制度です。

この際に、児童手当を貯めた預金は、親権者に分与されるべきだという主張が出ることがあります。

子供のための児童手当なのだから、子を育てていく親権者に帰属させるべきだという主張です。

しかし、基本的には、預金口座の名義人財産となるので、財産分与の対象になります。

他の財産と同じように、2分の1ずつ分けるなど、分与対象になります。

実務上は、学資保険ですら、分与対象とされることも多く、子のためという目的があっても、そのように使われないことも多いのです。

 

児童手当と自己破産

同じように、児童手当を貯めた預金口座の名義人が自己破産をするという場合も、名義人の財産とみなされます。

他の預金口座とあわせて一定額以上の預金があれば、処分対象になったり、管財事件となります。

そのなかで、実態が児童手当なのだからという理由で、自由財産拡張を求めることはできますが、あくまで、破産者の財産であるのが原則、そこから例外的な処理をするか、という視点となります。

このような処理を恐れて、破産申立準備中に、預金口座から資金を親族口座に移動させたりする人もいますが、預金口座の入出金明細は調査されますので、財産隠しと言われかねない行為となってしまいます。

 

 

児童手当と個人再生

児童手当入金口座が財産となることは、個人再生手続でも同じです。

個人再生では、財産以外に、家計の収支からの履行可能性も問題となります。

減額すれば、支払えるということが家計の収支から認められないといけないのです。

その際、児童手当を収入としてあてにできるかという問題はあります。

 

収入から支払えるかどうかの、収入の中に、自分の給与収入等のほかに、児童手当を含めて良いかという話です。

本来は、子供のために使用するものではありますが、家計の中には、習い事や子供の食費等も支出欄に計上されることから、収入欄に児童手当も計上する扱いとなっています。

今後、児童手当が縮小という方向に進むのであれば、この点は修正されることになるのかもしれません。

 

 

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