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自分の知らない差し押さえで時効は中断される?

法改正がされた分野ではありますが、旧民法の内容で、中断される可能性がありますので、判例を紹介しておきます。

最高裁令和元年9月19日第一小法廷判決の紹介です。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2021.7.8

事案の概要

お金の貸し借りからの紛争です。

貸主が、平成12年4月17日、借主に対し、336万円を貸し付け。

弁済期は、同年8月27日。

同年8月22日には、本件貸金債権について金銭消費貸借契約公正証書が作成されています。

本件公正証書には、借主が債務の履行を遅滞したときは直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載。

強制執行認諾条項と呼ばれるもので、これを設定するのが公正証書作成の目的であることがほとんどです。

これがあれば、裁判をせずに差し押さえができます。

 

貸主は、平成20年6月23日頃、鹿児島地方裁判所に対し、本件公正証書を債務名義として、借主の貯金債権の差押えを
申し立て。

これに基づき、裁判所で債権差押命令が出されました。

同年7月3日までには、銀行に送達。

同月4日、銀行は差押債権として通常貯金2件1032円が存在することを記載した陳述書を鹿児島地方裁判所に提出。

預貯金差し押さえの場合には、銀行のような第三債務者から、このような回答を得られるよう紹介するのが通常です。

銀行側では、このような手続きが進みました。

しかし、借主は当時、差押命令の申立書記載の住所に居住していませんでした。

そのため、本件貸金債権の支払期限の翌日から、消滅時効期間である10年が経過するまで、差押命令正本は借主に送達されませんでした。

 

そこから数年。

貸主は、平成28年6月8日頃、本件公正証書を債務名義として、別の債権差押命令申立てを改めて申立ました。


借主は、本件貸金債権はその弁済期から10年が経過したことで、時効消滅したと主張。

本件公正証書の執行力の排除を求める請求異議の訴えを提起したのが本件訴えです。

 

借主は、この訴訟で貸主が平成20年に差押えをしたとの記載がされた答弁書を提出してきたことで、この差押えを知ったと主張。

そこで、本件差押えによって消滅時効が中断されたかどうかが争われました。

債務者に送達されなかった差し押さえに中断の効力を認めて良いかどうかという問題です。

 

原審までの判断

鹿児島地方裁判所の第1審では、債権差押えによる時効中断の効力を解釈する上では、民法155条の趣旨を類推し、本来の時効期間を超えて更に長期間が経過してもなお当該債権の債務者に対して債権差押命令正本の送達等がなされなかったような場合には、債務者が差押手続の開始を知らなかったことで不測の不利益を被ることがないよう、時効中断効は生じていないものと解することが相当だと判断、消滅時効の完成を認めて、借主の請求を認容。

原審の福岡高等裁判所宮崎支部では、民法155条の趣旨から、借主が本件差押命令による差押えを了知し得る状態に置かれたとは認められない事実関係の下においては、消滅時効中断の効力は生じないと、同じ結論。貸主の控訴を棄却。

 

最高裁判所の判断

破棄自判。


民法155条は、差押え等による時効中断の効力が中断行為の当事者及びその承継人に対してのみ及ぶとした同法148条の原則を修正して差押え等による時効中断の効力を当該中断行為の当事者及びその承継人以外で時効の利益を受ける者に及ぼす場合において、その者が不測の不利益を被ることのないよう、その者に対する通知を要することとした規定で
あると解され、差押え等による時効中断の効力を当該中断行為の当事者又はその承継人に生じさせるために、その者が当該差押え等を了知し得る状態に置かれることを要するとする趣旨のものであると解することはできないとしました。

しかるところ、債権執行における差押えによる請求債権の消滅時効の中断において、その債務者は、中断行為の当事者にほかならないとしています。

したがって、上記中断の効力が生ずるためには、その債務者が当該差押えを了知し得る状態に置かれることを要しないと解するのが相当であるとしました。


そして、前記事実関係によれば、本件差押えにより本件貸金債権の消滅時効は中断しているというべきであると結論づけ、原判決を破棄し、第1審判決を取り消し、借主の請求を棄却しました。

 

各差し押さえと時効中断


債権執行につき旧民法155条が適用されるかどうかが問題になり、最高裁はこれを否定しました。

不動産や動産の差押えについて、判例では、時効中断効は強制執行申立時に発生、差押えの効力発生は時効期間が満了した後でもよいとしています。

ただ、債務者の所在不明で執行不能となり差押えがされなかった場合には、時効中断効は遡及的に消滅するとしています。

旧民法155条の通知について、債務者所在不明の場合に時効中断効発生のための送達方法は、裁判例によって分かれています。

付郵便送達では、発送時に送達があったとみなす規定がありますが、留置期間満了により郵便が執行裁判所に返送された場合には時効中断効は生じないとされています。

公示送達では、掲示後2週間経過時に債務者に対し民法155条の通知がされたとして、時効中断効の発生が認められます。

預金の差し押さえなど、債権執行で民法155条を適用する場合には、時効期間満了前に差押えの通知が債務者にされなければ時効中断の効力は発生しないことになります。

 

時効中断と民法改正

民法改正により、第三者からの情報取得手続も時効障害事由となっています。

しかし、預貯金債権等に係る情報取得手続きでは、財産開示手続を先行する必要はありません。そのため、情報提供を命じる決定は債務者に送達されず、時効完成猶予の効力が生じたことは債務者に伝えられずに手続きが進み、情報提供後に債務者に通知がされます。

 

 

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